ゼロから始めるローソク足(6)複数足分析 「はらみ線」

ローソク足シリーズ

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はらみ線と中期分析

ゼロから始めるローソク足分析第6回目、複数足分析編の第二回は、はらみ線についてです。
この辺りから為替でもよく見る形になってきます。
ただ、株式と違って終値と始値が飛ぶことがほぼないという特性の部分は異なります。
その部分で、「はらみ」の定義が異なってきます。
どのような形でどのような傾向があるのか早速みていきましょう。

はらみ線のかたち

1本目のローソク足が、2本目のローソク足を包んでいる、孕んでいる形の組み合わせを「はらみ線」と呼びます。
下図のような形です。
はらみ線,例

為替では、連続したローソク足の終値と始値が離れることがほぼありません。
よって、為替では、「はらみ」の定義は、「一本目の高値と安値の範囲内に収まる場合」となります。
一方、株式では、「はらみ」の定義を、「一本目の始値と終値の範囲内に収まる場合」とするのが一般的です。
私がよく使うチャートツールの一つに、Tradingviewというサイトがあります。
このチャートツールでは、様々な人が有志でテクニカル分析用のインジケーターを公開してくれています。
そのなかのアメリカ人かイギリス人であろう人が公開してくれているインジケーターにも、「Harami」という文字が出現します。
世界中でこの形が「Harami」として認識されているわけです。
最近は、「インサイドバー」と呼ばれているらしいですが、今でも「Harami」は使われています。
日本語の一つ、それも「Harami」が世界標準になっていることに驚きます。
ここは「孕み」について日本人である我々が詳しく説明できるようにならないといけません。
決していやらしい意味ではありません。

はらみ線の示唆する動き

はらみ線の一本目の親となる線が、陽線であるか、陰線であるかによって示唆する動きが異なります。

1本目が陽線


最初の画像のようなパターンですね。
2本〜3本だけでの分析ならば、高値圏で出現した時に着目します。
この線が出現した心理状況は、大きく上昇した後に高値を更新しきれず、売り買いが拮抗したということです。
これ以上の上昇は望みにくい、天井を打ったと判断することになる足になります。
すなわち、買い一服の売りサインです。
この場合の取引参入ポイントは、最初の親線の安値ブレイクが、はらみ線の後の足で確定した時です。
はらみ線,エントリー, 陽線はらみ


1本目が陰線


さっきとは逆です。
安値圏で出現した時に着目します。
心理状況は先ほどと逆で、大きく下落した後、安値を更新しきれない、底打ちを示します。
売り一服の買いサインです。
この場合の取引参入ポイントは、最初の親線の高値ブレイクが、はらみ線の後の足で確定した時です。
はらみ線,エントリー,陰線

はらみ線が連続で続く場合(三角持ち合い)

単純に2本〜3本だけではらみが終わるなら、前述の2パターンで終わりでいいのですが、はらみ線が何本も続く場合があります。
1本目のレンジを越えられずに、いつまでもレンジで値動きが続く形です。
これが相当長い間続いた形がいわゆる三角持ち合いとなるわけです。
日足や4時間足の高値安値の間とか、一定の値幅の範囲内で値動きが続く、「はらみ」がいつまでも続いている状態というのは為替では珍しくありません。
下の画像のような場合です。
はらみ線,分解,三角持ち合い
この状態を三角持ち合いというかどうかについては人によって議論があるかもしれません。
私見の一つとしてお目溢しください。
これは、最近のドル/円30分足チャートです。
5/19につけた高値108.087円・安値107.264円の範囲に青色で色をつけています。
直近の値動きは、その範囲内から逸脱していません。
この範囲内のローソク足はすべて5/19の日足の「はらみ」です。
日足で確認してもそうなっています。
その高値・安値のポイントから最近つけた高値・安値にラインを引くと、三角形ができます。
この状態で、三角形を抜ける形で値動きがあれば、三角持ち合いをブレイクしたといい、ブレイク方向にトレンドができると言われています。
ただ、ここでは、その後の動きが5/19の高値安値を抜けるかどうかというのも一つの大きな売買ポイントとなります。
5/19の高値安値が、一時的なレジスタンスライン・サポートラインとして働くであろうことが予想できます。
また、5/19につけた高値か安値を抜けば、ブレイク方向にトレンドができることが予想できます。

まとめ

高値圏の陽線のはらみは売りの予兆
安値圏の陰線のはらみは買いの予兆
はらみ線の高値・安値はサポートライン・レジスタンスラインの目安
長期間のはらみブレイクは、順張りのトレンドを作る


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