お前がいう1枚ってなんなのさ?

きほんてきなはなし(雑談含む)

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一枚,皿,アイキャッチ,なんなのよ

枚について考えてみた

さて、証拠金ってなにそれおいしいの?の回で、証拠金制度とは、損失をカバーできる範囲内で自分の持っているお金よりも大きな金額の為替取引を可能にするちょっと怖い制度であると学習したわけです。

そして、日本の制度上は、証拠金率の下限は4%であり、レバレッジ に直すと25倍までの取引ができ、10万円を証拠金として差し出した場合、250万円分の為替取引をすることができるというところまで学習しました。
今回は、具体的に各通貨を取引する場合、いくらの金額を動かしていることになるのかについて見ていきましょう。

1枚とは何か

WTI 原油,−40ドル,WTI市場最低値,-40.32
chart from tradingview.com
FX界隈のトレーダーたちの間でよく行われる会話では、

「原油価格マイナスとかパネェ!マジ!?」
「カナダドル/円10枚売った、全部売った!うわああああああああああ!!!!」
✳︎2020年4月20日、5限月のWTI原油先物価格は−40.32ドルという史上最低値を記録しました

などといった言葉が交わされます。
この会話での「10枚」とは具体的な金額に直すといくらなのでしょうか。
先に解答を示します。
この会話における1枚とは、一般的にはFX業者の1取引単位です。
・・・しかしこれはあまり意味のある解答ではありません。
FX業者によっては、1取引単位が通貨ごとに異なる可能性があるからです。

1取引単位とは何か

上述の会話の意味する1取引単位とは、一般的に、1万通貨単位のことを意味します。
すなわち1枚は1万カナダドルのことです。
「10枚売った」とは、「10万カナダドル売った」を業界用語でイケイケにそれっぽくいかにも仕事ができるかのように言っているわけです。
ただし、先ほど言ったように、FX会社によって1枚の金額が異なることがあるので、この言葉を投げかけられた時には注意が必要です。

「What do you mean 10-“mai”? Explain that in 10 words.」
「Was meinst du mit zehn Blätter? Erklären Sie innerhalb von  zehn Zeichen.」

外国語と等しいような業界語でいきなり会話をする相手には、会話の相手が自分と同じ言語世界に生きているのかどうか数カ国語での確認が必要ですね。仕事ができるなら答えてくれるはずです。

1枚で動く通貨量

こまけぇこたぁいいんだよ!っていう漢らしい人のために大体1枚でいくら日本円が動いているかを表にしました。
通貨ペア
5月3日終値(1通貨単位)
1枚(1万通貨単位)の日本円額
ドル/
106.906
1万ドル 1069,060
ユーロ/
117.338
1万ユーロ 1173,380
豪ドル/
68.665
1万豪ドル 686,650
トルコリラ/
15.250
1万トルコリラ 152,500
南アランド/
5.6810
1万ランド 56,810

1枚に必要な証拠金額

必要証拠金額をレバレッジ25倍で計算してみましょう。1枚の値段を25で割るだけです。
手計算による概算量なので必ずしも正しい数字ではありませんが、かなり近い数字が算出されます。

ドル/円    42,763円
ユーロ/円   46,936円
豪ドル/円   27,466円
トルコリラ/円 6,100円(レバレッジ10倍までの業者あり)
南アランド/円 2,272.4円(1枚を10万通貨とする業者あり)

ここで、あれ?と思った方もいるかもしれません。
トルコリラ/円と南アランド/円の証拠金額が自分の業者と違う、と。
新興国通貨は政治情勢・国際・経済情勢により、変動リスクが高く見積もられている場合があります。
外為業者によっては、証拠金率を4%より高めに設定して、レバレッジを25倍以下にしているところもあります。
トルコリラの場合、レバレッジ10倍規制で15,250円までにしているところがあります。
また、ランドのように、単価が低い通貨は10万通貨単位を1枚として設定している業者がありますので、このような通貨に1枚という言葉を使うときは注意が必要です。
この場合、必要証拠金額も10倍にしてください。
10万円で取引できる枚数は、5月現在で、ドル/円2枚、ユーロ/円2枚、豪ドル/円 3枚といったあたりで収まりそうです。

「本」という言葉もある

さらに、銀行に勤める為替ディーラーにもなると、「枚」ではなく、「本」という単位を使います。
これは、みなさんが取引する個人とFX業者間の取引ではなく、インターバンク市場という銀行と銀行との間での取引単位のことを指します。
1本は、100万通貨単位を意味します。すなわち、100枚のことですね。
インターバンク市場は、銀行・証券・金融ブローカーなどのいわゆるプロ同士が取引する市場のことを言います。
銀行やヘッジファンドなどは、トレーダーたちの間で「大人」などと呼ばれて親しまれていますが、この辺りの話は下記の記事で紹介します。

本日のまとめ

1枚は一般に1万通貨単位!
トルコリラやランドなどでは注意が必要!

アイキャッチ画像:OpenClipart-VectorsによるPixabayからの画像 

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