pips?ピピ?鳥の鳴き声か何かですか?

きほんてきなはなし(雑談含む)

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pips,ピピ,ピップス,鳥

「枚」の効用について本気出して考えてみた

前回は外国為替トレーダー業界でよく使われる業界用語「枚」について詳しくなりました。
個人的には初対面の相手に業界用語をベラベラと使うのはどうかと思います。
しかし、その業界の人たちと話すことがわかっているのに、用語を覚えないこともまた失礼なことです。
一つ一つ覚えて成長していきましょう。
今回はなぜトレーダーが、「枚」という言葉を使うかについて考えていきます。

前回のおさらい

前回の記事で、百戦錬磨でイケイケの為替トレーダーたちは、「枚」という謎の言葉を駆使しないとコミュニケーションが取れないコミュ障であるとお話ししました。
そして、「枚」とはすなわち「取引単位」を意味し、一般的には「1万通貨単位(1万ドル、1万ユーロ、1万豪ドル etc.)」を指すことを学びました。

「枚」を使う理由

なぜFXの取引で、1枚、2枚などとお岩さんのような言葉を使うのかについて考えてみたことはあるでしょうか。
これは、トレーダーがいくら勝ったのか、または負けたのかを誰にでもわかりやすく表現するためなのです。
それを理解するためには、「pips」という概念を理解しなければなりません。
通貨ペアとセットで示されている為替レートの小数点以下に注目してください。

通貨ペアの説明,スプレッド ,pips
SBI証券FX取引画面より
ドル/円 106.905-106.907とあります。そのレートの間に0.2という数字があるのがわかります。
一方、AskからBidを引いた数字は0.002です。
業者の計算間違いでしょうか?
ここで、先ほどの「pips」が謎を解く鍵となります。

pipsという言葉

業界人は毎度毎度、独自の用語を使うので新規参入者は参ってしまいます。
しかし、0.2と0.002の謎を解くには知っておかなければならない言葉があります。
それは「pips」、日本語読みで「ピップス」、「ピプス」と読みます。
ごくごく稀に、「ピピ」と読むトレーダーもおりますが、まぁこれは俗称のようなものです。
ちょっとふざけて読んでいるわけです。
では、例によって、私が高校時代から愛用しているジーニアス英和辞書に意味を尋ねて見ましょう。

”pip(s): 名詞 (リンゴ・ナシ・オレンジなどの)種 素晴らしい人(俗語) a pip of idea 妙案 

絶対に違いますね。
いろいろ調べてみたのですが、この「pips」という言葉も略語として成立し、定着した言葉のようです。
最も正しいであろうと思われる正式名称は、

percentage in point(s): %中のポイント

だと思われます。
そして、日本の為替の世界では、日本円の1円を100%として、「pips」という言葉を共通語として使っているのです。
つまり、1pipsは日本円では1銭のことを意味します。
これでようやく、じっちゃんの名にかけて0.2と0.002の謎が解けます。
すなわちこれは、0.2pipsを指しているのです。めんどくさいやつらですね。

枚やpipsの効用

なぜ、これらのめんどくさい言葉をトレーダーたちが設定したのかについて考えてみましょう。
取引において、ドル/円を1枚買って1pips勝ったという状況を設定します。
このときの損益はいくらでしょうか。
pipsという言葉は、1銭の意味でした。つまり、1ドルにつき0.01円勝ったわけです。1枚は1万ドルですから、利益の額は

 10,000×0.01=100円 となります。

この1枚当たりの1pipsの利益単位が、FX取引における一つの基準になるわけです。
1枚当たりの1pipsの利益が100円ということは、ドル/円だけではなく、ユーロ/円、ポンド/円、豪ドル/円でも通用します。
ほんとにぃ?と思う人は同じように計算してみてください。
つまり、「pips」とは、トレーダーが行った取引で、どのくらいの利益や損失がでるのかが瞬時にわかる共通語なのです。

某巨大掲示板の会話で、

「うっほおおおおおおおおおおおおおおおおおお
 レンジ相場で無限5ピピ抜きおいしいですぅううううううううううううううう」

という言葉を見かけたとしましょう。
この人は、

「今日は1枚につき500円の利益を出すことができるトレードを何回も行うことができて嬉しいです」

ということをスラングで表現しているわけです。何枚取引しているのかはわかりませんが。

さっきの0.2って?

先ほどの画像で、0.2という数字が出ていましたが、これには「スプレッド 」という名前がついています。
売り買いを同時に行ったときの差額であり、FX業者が得る手数料です。
1枚ドル/円を取引した瞬間に、0.2pipsすなわち20円が手数料として徴収されているわけです。
ユーロ/円では1枚あたり50円、ポンド/円では1枚あたり100円の手数料がかかるということも読み取れます。
「手数料」と書くと、いやらしい感じが出てしまいます。
「スプレッド 」というかっこいい言葉を使うことによって話を逸らしてごまかしているわけです。

本日のまとめ

「枚」と「pips」は、損益を算出を簡単にする用語
「枚」は1万通貨単位
「pips」は0.01円
1枚あたり1pips動くと100円損益が動く


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photo credit: Becky Matsubara Say's Phoebe via photopin (license)

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